この件に関して、内田樹先生のブログに
QWERT配列というのをご存じだろうか。
みなさんのコンピュータのキーボードの配列のことである。
この文字配列は「打ちやすい」ように並べられているわけではない。「打ちにくい」ように配列されているのである。
初期のタイプライターではタイピストが熟練してくるとキータッチが早くなりすぎて、アームが絡まってしまうということが頻発した。それを防ぐためにキータッチを遅らせるキー配列が工夫されたのである。
最初はごく一部のタイプライターにしか採用されなかったが、大手のレミントンがこの配列を導入したことで、一気にデファクト・スタンダードになった。
そして、私たちは今やキーをどれほど早く打ってもアームが絡まる気遣いがないメカニズムにシフトしたにもかかわらず、「打ちにくい」配列をそのまま踏襲しているのである。
と、あったので「打ちにくい」配列を考えるなんて人間のやることはわからんな〜と感心していたら、「それはまちがいですよ」と指摘されたようで
タイプライターやテレタイプやコンピュータにおけるキー配列の歴史を研究しております。貴殿のblogに昨日掲載された『学校選択制』というエントリーを拝読したのですが、そこでレトリックとして掲げられている「QWERT配列」に関する言説に、非常に大きな問題を感じましたのでメールいたします。
さらに、QWERTY配列がデファクト・スタンダードになっていく過程では、レミントンよりむしろThe Union Typewriter社によって形成されたタイプライター・トラストが大きな役割を果たしているように思われます。ただ、このあたりに関しては、かなり複雑な歴史過程が渦巻いていますので、詳しくは拙著『キーボード配列 QWERTYの謎』をごらんいただけますと幸いです。ちなみに「打ちにくいように」というネタそのものは、1930年代にAugust Dvorakが独自のキー配列を考案した際、既存のキー配列を攻撃するために言い出したいわばイチャモンで、元となった論文(August Dvorak: "There Is a Better Typewriter Keyboard", National Business Education Quarterly, Vol.12, No.2 (December 1943), pp.51-58,66.)に書かれている記述そのものに、すでに誤謬があります。
「あっちの会社のタイプライターはキー配列がおかしくて打ちにくいぞ〜」といちゃもんをつけたのが、いつの間にか「わざと打ちにくいように配列してある」に変わったということでしょうか。
そこらへんの詳しい事情がわかるんじゃないかと【QWERTY配列】でグーグル様に検索をお願いしました。
【QWERTY配列〜Wikipedia】
QWERTYが普及した理由
タイプライタ用けん盤配列において、1880年代「Qwerty配列」を採用していたRemingtonにとってのライバルは、おもに「Caligraph」であった。打鍵速度コンテストではそれぞれの入力方式を操るユーザが少なくとも一度勝っており[1]、また科学的根拠と称する宣伝合戦も両方式ともに行われていた[1]。
ところが後にRemingtonとCaligraphの争いは、Union Typewriterによる寡占行為「Typewriter Trust」によって、その競争自体が消失することとなった。Union Typewriter傘下に入ったRemingtonとCaligraphを含む会社では、Typewriter Trustの一環として「キー配列をQwerty配列へと統一する」こととなった[1]。
大手タイプライタメーカーが「Typewriter Trust」により共通してQwerty配列を採用したため、市場のタイプライタは多くがQwerty配列となった
【QWERTY配列はなぜ普及したか】
【QWERTY配列再考】
(PDF)
「QWERTY配列」がタイプライターの標準となって普及したのはそれまでのライバル会社5社が、Typewritter社という持ち株会社の傘下に入ると子で一緒になったことによるものだということがわかりました。しかし最初はABCと配列されていたキーボードがQWERTYに変わった背景がいま一つ掴みきれませんでした。
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