盛岡市保健所は12日、同市繋湯ノ舘の「南部湯守の宿大観」に宿泊した修学旅行生ら92人が、食中毒にかかったと発表した。複数の患者の便からエルシニア・エンテロコリチカが検出された。保健所は旅館を原因施設と断定し、4日間の営業停止処分とした。旅館は独自の委託検査で検出されなかったため、処分取り消しを求め提訴する方針。
保健所によると、発熱や腹痛などの食中毒症状を訴えたのは、先月6〜7日にかけて宿泊し、夕食と朝食を食べた宮城、青森、岩手の小学校6校の児童や教職員の計92人。うち6人が入院、53人が通院したが、現在は快方に向かっているという。提供された食事は、牛すき焼きやサラダなど。サンプルがないため、原因食品は特定されていないという。エルシニアによる食中毒は、県内では初めて。
旅館によると、保健所の指摘後、保存してあった食事を盛岡臨床検査センターに依頼して検査したが、食中毒の原因となる物質は検出されなかったという。佐藤克専務は、朝日新聞の取材に対し、「食事と症状に因果関係がなかった。順を追って損害賠償請求についても考える」としている。
・初めて名前を聞く食中毒菌です。
・農林水産省のHPにある解説によると、
症状は?
食後2〜5日で、発熱、腹痛、下痢などをおこします。
年齢が高くなるにつれて、他にもさまざまな症状を示すことがあります。
原因になりやすい食品は?
肉(特に豚肉)などが原因になりやすいです。
殺菌されてない井戸水や湧き水なども原因になります。菌を持っている動物のフンに汚染されている可能性があるためです。
生の肉に使った包丁で切った調理済みの食品も原因になります。
ペットがさわった食品なども原因になります。
この菌は冷蔵庫の中でも増えるので、長期間冷蔵した豚肉も原因になります。
予防のポイントは?
豚肉を長期間保存しないようにしましょう。
生の肉にさわったら、よく手を洗いましょう。
包丁やまな板を使うときは、先に生野菜などの加熱しない食品を切り、生の肉は後で切りましょう。生の肉に使った包丁やまな板と、調理済みの食品がふれないようにしましょう。
肉の汁が、生で食べるものや調理済みの食品にかからないようにしましょう。
生の肉など加熱が必要な食品は、中心まで十分に加熱しましょう。
生の肉に使った調理器具は、使い終わったらすぐに洗いましょう。洗った後、熱湯をかけると消毒効果があります。
・生肉は調理してさっさと食べる
・生肉を調理するときは調理済みの他の食品と触れないように気をつける
・調理器具はさっさと洗う